塚見式耳針療法 ~その背景を更に詳しくご説明します~

当院の「塚見式耳針療法(つかみしき みみばりりょうほう)」は、一般に知られている耳針療法とは中身が違い、以下の2つが特徴です。

  1. 中国の伝統的な耳針治療ではなく、フランスの医学博士・ノジェ医師の提唱した「耳介(じかい)医学」に沿って行っている。
  2. 耳の穴の横にある「星状神経節」を中心に、脳中枢の反射点を使って治療している。

上記2の治療法を取り入れてから、治療効果は劇的にあがり、腰痛、肩こりなどの痛みの症状だけでなく、便秘、不眠、自律神経失調症などの不快症状やアレルギー疾患まで、多彩な症状が改善するようになりました。

塚見式耳針治療がなぜ効くのか<<1>> ~ノジェ博士と耳介医学~

今から50年以上前、「耳介医学」を提唱したノジェ博士は、当時の医学知識を駆使して理論を構築しました。「耳には反射点があって、そこを刺激すると痛みの除去や自律神経の調節などができる。そのため、いろいろな病気の治療が可能だ。」というのです。

耳は、主に耳の下のほうに上半身の反射点、耳の上のほうに下半身の反射点が分布しています。そして、耳の穴の外側にある軟骨沿いには、背骨が逆さになった格好で、交感神経が分布しています。

このうち、私が特に注目したのは上頚神経節、中頚神経節、頚胸神経節(星状神経節)の3点です。なかでも、星状神経節は重要なポイントです。

塚見式耳針治療がなぜ効くのか<<2>> ~星状神経節と若杉文吉医師~

私が星状神経節に注目したのは、「星状神経節ブロック療法」で有名な、武蔵野病院名誉院長・若杉文吉医師の本で、その重要性を知ったからです。

星状神経節ブロック療法は、のどにある星状神経節の近くに微量の麻酔薬を注射して、自律神経の一つである交感神経の過剰な働きを遮断する療法です。すると、脳の血流が増加し、体温調節や内分泌機能などをつかさどる視床下部の働きが活発になり、免疫機能が正常化します。免疫機能が正常になれば、病気や故障は自然に治っていきます。同時に、病気や故障の起こりにくい身体になるのです。

星状神経節ブロック療法は、痛みの治療として知られていますが、実は感染症や自己免疫疾患をはじめ、240種類もの病気の治療に効果があるといいます。

実際の星状神経節は首にありますが、私は耳の星状神経節の反射点を刺激することで、同等の効果が得られると考えたところ、予想どおり、多様な効果を得ることができました。

塚見式耳針治療の更なる飛躍 ~若杉先生と共に~

それから、塚見式耳針治療は、前述の若杉先生にもご興味を持っていただくことができ、私の針治療を見ていただくことになりました。

若杉先生は、「星状神経節ブロック療法と同じ原理だから」と、「糖尿病などにも試してみたらどうだろうか」とアドバイスをくださいました。

その後 、糖尿病の血糖値の高い5人に耳針治療を行うと、うち4人の血糖状態(ヘモグロビンA1c)が改善しました。また、それだけではなく、悪玉コレステロール値、肝機能値、尿酸値などの数値も下がった方もいらっしゃいます。この点については、「適応症」の中の「糖尿病への適応」のページで詳しくご説明しています。(→糖尿病への適応のページへ)

それ以降、 若杉先生から難病患者さんをご紹介していただいたり、様々な実証データのやり取りをするなど、塚見式耳針治療の更なる飛躍に大きなご協力を仰いでいます。

塚見式耳針治療はストレス社会の救世主

現代の多くの病気の原因がストレスであると言われています。人は知らず知らず自覚のないストレスを抱えており、その結果、血管の収縮を引き起こし、自律神経や免疫機能、また内分泌機能を低下させます。そして身体に不調をきたすのです。

塚見式耳針治療は、脳をはじめとする必要な部位の血管の収縮を緩め、血流を改善することから、ストレスに強い脳をつくり、自然治癒力を高める効果があります。つまり、疾患を根本から改善するのです。そして薬を使わないため、副作用もなく、身体に優しく、子供からお年寄りまで、年齢を問わず大きな効果を発揮します。